留置場生活2日目
タイトルは2日目ですが1日目の夜のことから書きます。
夜は倉庫から自分の分の布団とシーツを持ってきて、自分で敷いて寝ます。布団の幅は狭く、寝返りはうてません。人ひとり分ピッタリくらいのサイズです。
布団のある倉庫は、鉄格子で囲われた部屋の外にあるため、この布団を取りに行くとき一瞬だけ廊下を歩けます。また、夜の歯磨きの時も洗面台を使うために一瞬だけ廊下に出られます。
ずっと鉄格子に囲われていると、この一瞬がとてつもなく開放的に感じられます。
就寝は21時です。
初日はなかなか寝つけませんでした。一応、部屋の電気は消されるものの、廊下の電気はつけっぱなしです。
もちろん部屋と廊下を隔てているのは鉄格子なので、廊下から差してくる光で部屋の中もかなり明るいです。
部屋の奥の方が暗くなるかと思いきや、トイレの明かりも付けっぱなしなので、部屋の奥はトイレの明かりで照らされています。
留置場生活の夜は、かなり明るい中での就寝となります。しかも本や漫画、もちろんスマホもありませんので、初日はずっと目を瞑ったまま数時間過ごしていました。
しばらく目を瞑って、何十分か経っただろうと時計を見ると、たった一分しか経ってない!なんてことをずっと繰り返していました。一分一秒がこんなにも長く感じたのは初めてです。
なんとかして睡眠を取り、翌朝起床は7:00です。
ほとんど眠れず、担当さんの「おはようございまーす!」の大きな声で辛うじて目が覚めました。
起きた瞬間、鉄格子とコンクリートの壁に囲われた部屋を見て愕然としました。
一瞬でも「夢から覚めたら全てが元に戻ってるかも」などと思っている自分がいたのかもしれません。
起きたらすぐに布団を畳み、倉庫に戻します。この時もまた、一瞬だけ廊下に出られるので少し心がスッキリします。
この一瞬廊下に出られる時に、僕はいつも心を救われていました。